【不動産投資・高値売却のしくみ】3つの最強シンプル出口戦略【実証済み】

物件を買ってから5年が過ぎたし、そろそろ出口戦略を考えたい。できるだけ高く売りたい。物件を売るならやっぱり長期譲渡のタイミング?できるだけ物件を高く売るにはどうしたらいいんだろう?

そんな疑問に答えます。

※この記事は、すでに「一棟投資物件を3~5棟所有しているサラリーマン大家さん」に向けた記事となります。それ以外の方が読んでも「まだまだ買い増ししたいよ」や、「そんなこと知ってるよ」と感じるので、読んでもあまり意味がない記事です。

この記事のおしながき

目次

■わたしはこんな経歴です

こんにちは、一棟もの不動産投資専門の業界で「売却仲介ばっかり」10年の経歴と、一棟アパートを所有するサラリーマン大家(不動産投資家)2つの顔を持つ、ななこころです。

仕事で売却仲介ばっかり10年やってきたので、売却依頼をうけてから物件が売れるまでの流れを熟知しています。売却の経験エリアは日本全国です。私が経験ある営業マンということは、記事を最後まで読んでもらえば言葉のはしばしから伝わると思います。

わたしの売却仲介の事例(※ほんの一部)です↓

売却仲介の一例
・さいたま市の木造一棟アパート
・青梅市の一棟アパート
・松戸市の一棟 鉄骨マンション
・長野県のRC一棟マンション
・福岡県のRC一棟マンション
・札幌市の一棟RCマンション
・香川県の一棟RCマンション
・青森県の土地
・足立区の一棟RCマンション
などなど…

資産の利益は売却して初めて決まる

すでにご存じだと思いますが、資産の利益は売却した時に初めて決まります。売却タイミングをつかんで大きな利益を得ることもあれば、その反対になってしまうこともあるかもしれません。

売却タイミングを間違えてしまい「今まで積み上げてきたキャッシュフロー(家賃収入)がすべて吹き飛んでしまった」そんな悲しいことにならないためにも、「出口戦略」は重要です。

そんなわけで今回は、
仲介業者と投資家2つの目線から、高値売却の仕組みについて解説していきます。

まずは最後まで読んで、(使える or 使えない)のジャッジをしてみてください。

■高値売却は可能?

常に変動する相場価格のなかで「できるだけ高値」で売却することは可能です。投資物件を買うときはライバルが出てきやすいものですが、売却は世界でたった一人だけ、あなたの物件を買いたい人を見つければいいからです。

また、不動産に定価はありません。常に変動している相場価格のなかで、うまくタイミングをつかめば高値売却は可能です。

相場価格はこう決まる
不動産投資家であれば誰もが「1円でも高く売りたい」というのが本音です。しかし、買い手はその反対で「1円でも安く買いたい」と考えているものです。この相反する2のニーズが交わる価格が不動産の「相場価格」をつくっています。

■3つの最強シンプル出口戦略

高値売却のポイントは3つ。

1.一般媒介契約
2.レインズ (厳選一社)
3.中長期売却


1.一般媒介契約

まず、媒介契約は3種類あります。

①専属専任媒介契約
②専任媒介契約
③一般媒介契約

高値売却を目指すのであれば「一般媒介契約」が基本です。理由は不動産会社によって顧客層も売却スタンスも違うからです。

知っておくべき不動産業者の裏事情

あなたが、もし不動産営業マンだったら、上記どちらの取引をしたいでしょうか?

もちろん誰に聞いても「両手取引」と答えるでしょう。

こいった事情があるため、不動産屋は一社のみにしか売却依頼ができない「専任媒介 or 専属専任媒介」を勧めてきます。

しかし「専任媒介契約」をすると、多くの場合こうなります↓

しかしこれだと↓

です💀

そして実体験として、こんなことが日常的に起こっています↓

これを「物件情報の囲い込み」といいます。最近もネットニュースにも取り上げられていますが、過去何度も業務改善命令が出ても未だになくならない慣習です。(※ちなみにこの後、この物件は半年たっても1年過ぎても契約中でした…)

これは売主さんにとって、あまり嬉しいことではありません↓

これを「一般媒介契約」にすると、こうなります↓

複数社へ依頼することにより、業者同士で競争心理が働くというのもよく言われますが、正直これは不動産屋によります。一般媒介でも普通にやってくれる不動産屋もあれば、明らかにヤル気がなくなる不動産屋もあります。

それも含めて複数社に依頼をし、見極めるのがよいでしょう。

私の場合も、どの媒介契約でもやることは変わらないので「あえて一般媒介契約」をおススメしています。

2.レインズの使い方 (厳選一社)

レインズとは?
不動産業者のみが閲覧できる「売買・賃貸」可能な物件情報を掲載しているインターネットサイト

高値売却を目指すなら「レインズ」への掲載が有効です。理由は前章の話とおなじで「異なる顧客層へ紹介できるから」です。

このような提案を聞くと「レインズに掲載すると、さらし物件にならない?」という疑問が浮かぶと思いますが、出し方を間違えなければ結論、大丈夫です。

レインズでやっちゃいけない掲載例

複数の不動産会社から同時掲載×
アパート  埼玉県川越市
5500万円  ●●不動産

アパート  埼玉県川越市
5500万円  ■■不動産

アパート  埼玉県川越市
5500万円  ★★不動産

アパート  埼玉県川越市
5500万円  ▲▲不動産

アパート  埼玉県川越市
5500万円  ◆◆不動産

もしあたなたが客付けの営業マンだったら、上記、複数社からたくさん売り出されている物件を「大切なお客さん」へ紹介できるでしょうか? 難しいと思います。成約確率がいちじるしく低いからです。

他社の営業マンの動きが見えないため、紹介したお客さんから「これさっき★★不動産と◆◆不動産からも紹介されたよ」なんて言われたら信用ガタ落ちです。

私が売却依頼を受けた物件で、このような状況になったことが何度もあります。同僚のトップ営業マンへ客付けをお願いしても、「こんだけレインズ出てちゃあ、お客さんに紹介できないっす」と2秒で断られました。

レインズで複数社から同時に掲載するのは、売主にとっても仲介業者にとっても、デメリットが多いのです。

レインズで高値売却できる掲載例

反対に「厳選一社でレインズ掲載」するのはポジティブです。一社のみ掲載であれば前章のようなブッキングは起きづらいからです。

アパート  埼玉県川越市
5500万円  ななこころ不動産

実例として、相場価格より1~2割高い値付け(残債の関係)をしていた重量鉄骨の一棟マンションがありました。なかなか売れませんでしたが、レインズ掲載から約2年半過ぎて希望に近い価格で突然売れました。

客付業者さんに理由を聞くと「御社のみで出していたので紹介してみました」とのこと。

この一言からも読み解けるように、物件を紹介する営業マンの心理的に「厳選一社からのレインズ掲載」は有効ということです。※ただし媒介契約の話と同じく「物件情報の囲い込み」にだけは気を付けてください。

「未公開物件が高く売れる」はウソ

経験上、未公開物件で高く売れた物件を見たことがありません。われわれ営業マンが未公開物件として紹介して反響があるのは「相場より安い物件だけ」だからです。

「未公開のほうが物件の情報鮮度が保たれて、高く売れるんじゃないの?」これもよく聞かれる質問なのですが、残念ながら専任媒介(両手取引)へ導くための不動産業者の営業トークでしょう。

自分が買主立場のとき、未公開物件の紹介を受けたときに「おっ!いいじゃん」と反応するのは、こんな物件ではないでしょうか↓

■利回り12%
■物件価格5000万円/土地値4800万円
■フルローン可能
■土地建物按分 (土地1800万円 < 建物3200万円)
■駅徒歩5分圏内

では反対に、こんな未公開物件はどうでしょうか↓

■利回り6.2%
■物件価格5000万円/土地値2000万円
■8割融資
■土地建物按分 (土地3800万円 < 建物1200万円)
■駅徒歩15~20分
などなど…

…… 無風。ですよね。

買主にとって「いい条件」ということは、売主にとっては「よくない条件」です。

例えるなら、ラーメン屋でメニューに載ってない「普通のラーメンを高値で売ろうとしている」のと同じです。お客さんからしたら「買う理由」がないのです。

「物件を売り出しているのを特定の人に知られたくない」などの特別な理由がなければ、基本的に一社にしぼってレインズを使うのが得策です。

3.中長期売却が最強

物件の売り出し期間は半年~3年の「中長期」で考えるのが基本です。物件の相場価格は常に変動しているので「いつ高値で売れるかわからないから」です。

なんだよプロなのに無責任だなと思うかもしれませんが、未来のことが分かれば誰も苦労しません。

「ぜったい希望金額で売れます、確実です」などと断言するほうが、よっぽどアマチュアであり無責任な発言です。

プロだからこそ自信をもって「いつ高値で売れるかわからないので中長期で考えましょう」というアドバイスができるのです。

ここまで、一般媒介契約 → 厳選一社でレインズ → 中長期売却とお話してきましたが、なぜこの流れが高値売却につながると言っているかというと、「いろいろ試した結果、この方法が一番高値売却できたから」です。それ以上でもそれ以下でもなく【実証済み】の売却方法です。

■【短期譲渡・長期譲渡】売り出しタイミングは?

前提知識
■短期譲渡
物件保有5年未満:売却益に対して税率40%(約)

■長期譲渡
物件保有5年以上:売却益に対して税率20%(約)

結論から言うと「どっちでもいい」です。
売却の目的は売却益の最大化なので、長期譲渡だから売る、短期譲渡だから売らない、というのは論点がズレています。もちろん長期譲渡で売ったほうが支払う税率は20%で安くなりますが、短期譲渡でも利益が見込めるなら売却はOKです。

たとえばこんなケース↓

保有6年 長期譲渡(税率20%)
購入価格:4500万円
売却価格:5000万円
残  債:3500万円
売却益:1500万円
利益:1200万円 (80%)

保有4年 短期譲渡 (税率40%)
購入価格:4500万円
売却価格:6000万円
残  債:3500万円
売却益:2500万円
利益:1500万円 (60%)

未来のことは神様しかわかりませんが、現時点の売却相場価格は誰でも予測することができます。誰も知りえない5年後の価格を予想するより、中長期目線で売り出して高値タイミングが来れば売る、来なければ保有を続けるというシンプルな戦略があんがいうまくいくものです。これは私のお客さんでもすでに実証済みです。

■相場価格の調べ方

「相場価格」の調べ方はカンタンです不動産投資のポータルサイトを見て「利回り」が自分の物件より高いか低いかを見れることで、おおよその相場感はすぐわかります。

実例
買った時の利回りが約11%、ポータルサイトを見て相場の上昇を感じたオーナーさんから問い合わせがあり売却査定をしました。私が出した査定価格は利回りで9%。「本当にその金額で売れるなら売りたい」とのことで売り出しスタート、6日後に買付が入り、そのまま決済となりました。気をよくしたオーナーさんはさらに利回り9%ちょっとで買った物件を相場価格上限(利回り7.2%)から売り出し、これも7.4%で売却に成功。

物件価格をしばらく調べていない人は、ポータルサイトをポチってみてください。びっくりする価格が出てくるかもしれませんよ。

■不動産会社の見つけ方:おすすめ3選

1.買った時の営業マン(相性が良ければ)
2.オーナー仲間からの紹介
3.一括売却査定サイト

売却査定、売却依頼をする場合は、自分が信頼できる仲介営業マンに頼めばOKです。思い浮かばないという人はオーナー仲間に紹介してもらうのもOKです。

ただし、ビジネスパートナーである営業マンは「相性」が重要なので、できれば自力で探したいものです。

信頼できる不動産営業マンはいるけど、売却査定の提案に納得できないということもよくあります。その場合はインターネットの一括無料査定を活用するのもアリです。相性のよい不動産営業マンをみつけてみてください。

管理会社への売却依頼は悩みどころ

「お世話になっているし、管理会社に黙って売るのは悪いな」。そんな優しさから管理会社に売却依頼をするのは悩みどころです。理由は売り出すときに高確率で「管理条件付き」になるからです。

管理条件付きが及ぼす影響↓

売主価格:5500万円
買主Aの買付書:5300万円 (管理変更希望)
買主Bの買付書:4900万円 (管理継続承諾)

この場合Bの買付書が売主に届き、Aの買付書は…どうなるか想像にお任せします。

■まとめ:不動産業界は罠が多すぎる

不動産の売却はとてもシンプルです。しかし不動産業者の思惑や慣習によって、さまざまな罠が仕掛けられている業界です。

そんな中、不動産投資家として生き抜くために何より大事なのが「仲間・チーム」をつくることです。金持ち父さん貧乏父さんの著者ロバートキヨサキ氏も「ビジネスと投資はチームスポーツだ」と言っています。

わたしも一売買仲介として、一不動産投資家として、この情報発信を通じて不動産業界の活性化に力を注いでいきます。もしかしたら、どこかの取引で会うことがあるかもしれませんね。

売り出さなきゃ始まらない、売れなかったら売らなきゃいい。まずはスタートです。

今回の記事はこれで以上となります。

ではでは^^

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この記事を書いた人

指名客230名の元美容師 → 現在は一棟不動産投資専門の売買仲介で「売却ばっかり」やっているサラリーマン投資家

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